みんなの声VOICE
しんちゃんの歩み~生まれるまで~(13)
<生まれた日(3/4)>
「もう子宮孔開いてきてる。破水してるね。すぐに手術の準備!」
急に皆がバタバタし始めたと思ったら、私はあっという間にストレッチャーに乗せられ、落ちてしまいそうなくらいのスピードで廊下を走り、手術室の入口に到着していました。
手術室のコントロールをしている看護師にまだ準備中で入室は出来ないと言われても、「こっちは命がかかってんだよ!」とケンカ腰に大声をあげて突破した主治医に、私は苦笑する余裕が出ていました。
あとは信頼する主治医に任せるのみ。
手術室では、まずは麻酔の準備が始まりました。
「時間がないので、手術の間の麻酔はしますが、手術後の痛みのコントロールのための麻酔はなしでいきますからね。いいですか?」
え?
うっそー。
でも仕方ないか。
どっちかしかできないなら、手術の時のがないのは絶対嫌だし。
妙に冷静に、でも少し的外れのような変なテンションで、私は横向きになり、背中を丸め、素直に麻酔を打ってもらったのでした。
いよいよ帝王切開の手術が始まりました。
足元には、主治医とともに、病棟にはいなかったはずのチームリーダーの医師も並んで立っているのが見えました。
(子ども達のために、駆け付けてくれたんだ。)
心強い気持ちでいっぱいになりました。
もう大丈夫。