のびのび育ちの会INFORMATION

第24回のびのび育ちの会 ご報告

2022年3月16日、今年度最後ののびのび育ちの会が開催されました。

今回のテーマは「子どもの心のお話」

国立成育医療研究センターこころの診療部の岸本真希子先生にお話していただきました。

 

“様々な困難さや逆境的体験を持つ家族の中で育つ子どもに私たちは何ができるのか”

事例を通して、子どもと親や家族をどう捉えサポートしていくか、

岸本先生が専門家として、人として、試行錯誤しながら関わり、

振り返ったことを共有してくださいました。

 

人には心にコップ(=ストレス耐性)があって、水(=ストレッサー)が入ってくる。

コップから水があふれ出さないようにしながら心を保っている。

コップの大きさや形には個人差があって、経験によって生涯変わり続けていく。

とくに子どもはまだまだコップは小さく、受け入れる水の量を自分で調整することは難しい。

しかし、正しい心のバランスのとり方は大人が教えるわけではない。

子ども自身が経験の中で、自分で選択してコップの大きさや形を作っていく。

ついつい大人が、よかれと思って水の量を調整してるなぁと…。

 

ディスカッションタイムでは、

教育者を育てている東京学芸大学の加瀬先生から、学校の先生の役割について質問が。

子どもがつらいと思っていることを、誰か安心できる大人に話せるという経験が大切。

医療機関とはちがった観点で、合理的な対応をとることで症状が軽快する場合もあると。

学校の先生は、生活の中で身近な存在なので、子どもが発したときに話を聞いてくれて、

先生自身がいろんな経験をもとに反応することが大事だと。

 

東京リハビリ訪問看護ステーションキッズ府中の弦弓さんや鈴木さんからは、

支援者と母との関係性をつくる難しさや、

子どもが生まれる前からフォローすることで安心して出産・子育てできる

プレネイタルビジットが普及するといいなというご意見。

産後うつや発達障害などの早期発見ができて、

人とのつながりを苦手とする親子さんをちょうどいい距離で見守ったり

できるといいよねという話にもつながりました。

親子の境界線について

親は親、子どもは子どもと自覚すること。

特に母親は、子どもは何歳になっても自分のものと思ってしまうものです。

親子の境界線ってどう引けるのか?

心の境界線がなくなることはしょっちゅうある。そこを自覚することが大事。

自覚できずに、感情的になったりマイナスになったりするときには、支援のタイミングだと。

 

岸本先生のお話を聞いて、自分自身の子どもの頃や、大人になってからのこと、

みなさんそれぞれの人生を振り返る時間になりました。

今回も100名を超える方々が参加してくださいました。

ありがとうございました!