みんなの声VOICE
しんちゃんの歩み~生まれてから~(2)
<過酷な在宅生活のはじまり>
NICUを退院し自宅に帰ってからの生活は、一言で言うと”過酷”でした。
”でした”と過去形で言えるときがくることを、その当時は全く想像できませんでした。
何がしんどかったのか。
退院当時は、医療的ケアはなく、直接母乳を吸うことは難しくても哺乳瓶からはミルクは飲めるし、自分でうんちもおしっこもできる。明らかなてんかんもない。医師から行動制限をかけられているわけでもない。
脳の大きな障害によって、いつ大きく体調が崩れるかは誰にも分らない一方で、日常を送ることにおいては”特段問題のない子”のはずでした。
でも実際は、今同じことをもう一度やれと言われても絶対に無理!だと思うほどに、日々綱渡り。
振り返ってみて私自身が大変だったと感じたことは、
①慢性的な睡眠不足
②首もすわらない反り返る子どもを常に抱っこし続ける身体的な疲労
③家事もきょうだい児のお世話が難しい
等が挙げられます。
ただ、それらだけでも十分しんどいのに、輪をかけて辛いと感じることがありました。
それは、
④求めているのに支援が受けられない
ことでした。
抜け出せない沼に足を取られてしまっているようで、身体的によりも精神的に辛かった。
次回からは、実際にどんな生活を送っていたのかを書いてみたいと思います。